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あいちトリエンナーレを題材に「表現の自由」について解説します


ご報告とお知らせ
令和1年8月23日16時から翌日24日16時まで開催されました「24時間震災問題・借金・生活保護110番」の広報にご協力いただきました皆様ありがとうございました。
電話・面談あわせて29件のご相談が寄せられました。
使用した電話番号、096-364-0800 は相談会専用の電話番号です。現在はつながりません。
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右派と左派とで議論がすれ違うものの代表例として、「表現の自由」問題があげられると思います。ここでは、議論がすれ違う理由までは踏み込めないかもですが、少なくとも憲法学における「表現の自由」を解説して、右派、左派双方の相互理解が深まるような地平を目指したいと思います。

まず、「表現の自由」は憲法を根拠とするコトバです

多義的に用いられる「表現の自由」というコトバをここでは、憲法のコトバとして解説します。

日本国憲法 第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

憲法のなかに「表現の自由」というコトバがありますね。

コトバを解釈するときには、論理学上どうしても多義的な解釈が可能になります(論理学的には、正反対の意味さえも解釈で導くことが可能となります)ということになってしまうので、解釈のところでもともと憲法はなにをやりたかったんだっけ?という根本のところからコトバの解釈を始める必要があります。

以前にも同じテーマで(憲法のなかの「表現の自由」というコトバを解説する)ブログ記事を書いておりました。よろしければご覧ください。

www.mm-nankanoffice2.com

憲法がやりたいことは何ですか?

憲法がやりたいことは、国(公権力)を縛ることです。

ここは右派の方々も頑張らずにお願いします。憲法学のイロハのイみたいなところなのでですね。

じゃあ、国(公権力)を縛るということをどうやってやっていくかというと、わかりやすく言うと、国(公権力)の行為に着目するんです。国(公権力)の1個1個の行為が、OKかどうかを判定する……これが憲法がやりたいことなんですよ~ということです。

ちょっとした例外として、国による「法律の制定」については、制定のための連続した1個1個の行為がちゃんと適切になされたかだけじゃなくて、つくられる法律の内容も適切かということも考えなくちゃいけないのですが、とりあえず1個1個の行為に着目するんだ~と理解なさればよいかと。

また「政治家の発言」は、厳密に言うと政治家がイコール「国」ではないですし、また発言自体が公権力の行使とは言えない場面もありうるかと思いますが、少なくとも政治家には憲法尊重擁護義務が課せられておりますので、「表現の自由」に対する侵害と評価できるような発言はできないはずなんです。

日本国憲法 第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

右派の方々には、上記の基本知識を抑えたうえで、もう1度下記リンク記事を読んでいただきたいです。問題とされている場面がだいぶクリアになりませんか?

news.yahoo.co.jp

kamiyakenkyujo.hatenablog.com

右派の方々は表現の内容を問題視して、公金を拠出するとはなにごとだ!とおっしゃっています。

しかし、そうじゃないんです。憲法学における「表現の自由」の問題は、表現の内容を問題とする話じゃなくて、そもそも国(公権力)が表現の内容によい悪いという口出しをしてくることをやめさせようという議論なんです。

令和1年8月2日の時点で、菅官房長官は「補助金交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」と発言していますね。ここでは政治家の発言というレベルですが、表現の自由に対する重大な侵害だとわたしは評価しています。

あいちトリエンナーレに対する補助金の取扱いが全額不交付となる

このあいちトリエンナーレに対する補助金の全額不交付の「決定」がいつなされたのかは、下記リンクからははっきりとはわかりません。別添参考資料から令和1年8月4日以降なのかな?

www.bunka.go.jp

この補助金不交付の決定は、典型的な国(公権力)の行為ということになります。行政庁による行為です。

これに対して、愛知県の大村知事は「表現の自由を最大の争点として見解をただしたい」とおっしゃっているのですね。

www.nikkei.com

裁判で、最高裁まで争った場合にホンマに勝てるのか?

スジ論でいくと、愛知県知事の大村知事が勝ちます。これはどこをどうひっくり返してもそうなるはずです。文化庁のあいちトリエンナーレへの補助金の全額不交付という行為の是非は、これは文化庁負けるでしょう。

とは思っているのですが……。

表現の自由の最後の砦であるはずの最高裁判所がいま、どうなっているかという現役の裁判官の手になる書籍がこちらです。ご興味のある向きはどうぞというところでいったん終わろうと思います。

岡口 基一 (著) 出版社: 岩波書店 発行日:2019/3/28

追記

これたしかに疑問だったんですよね。どのような流れで補助金の不交付を決定したのか?それにしても議事録がないのはどういう理由なんでしょうね……。

ここも国(公権力)の行為を1個1個確定させて、その是非を追求していこうというお考えなのだと理解しています。

「あいちトリエンナーレへの補助金不交付を決定した審査の議事録はございません。」

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