熊本の司法書士・行政書士まつむら・まつなが事務所です 2

熊本の司法書士・行政書士まつむら・まつなが事務所です 1(https://mm-nankanoffice1.com/)も宜しくお願いします!

ちょっとHな週刊誌の「イケてないSE◯」の記事を読みました~「NAVERまとめ問題」

 

お読みになったことがない方は、週刊プレイボーイさんをちょっとHな雑誌としてインプットされている方が多いのではないかと思います。

私が思いますに、いかがわしい猥雑だ(というのは褒め言葉にもなりうるのかな)と、洗練された(褒め言葉にならない場合もある)とのあいだだったら、どちらかというと洗練されたよりの情報誌として・・・わたし必死ですね。

今回、コンビニで買ったときは、レジで裏向きにして出しました。すみません。

 

週刊プレイボーイ 2017年 1/9 号 [雑誌]

週刊プレイボーイ 2017年 1/9 号 [雑誌]

 

 

伊集院静先生の「大人のカタチを語ろう」/江夏豊氏の「アウトロー野球論」(今気づいた!かけことばかー)/爆笑問題さん/セルジオ越後氏の「一蹴両断!」/リリー・フランキー氏の人生相談/鈴木おさむ氏のページ/堀江貴文氏と西村博之氏の対談のページ/みうらじゅん氏と宮藤官九郎氏と前野健太氏の対談?のページなどなど、ほかにもおもしろいコラムや、取材記事がありますよーわたし必死ですね

 

この中で、今回、購入して読もうとおもったのは(年明けにちょうどコンビニに残っていたのです)表紙一番下のタイトルに目がとまったからです。

 

ネット検索を疑え!!

 

該当記事を立ち読みしてみると、有賀正博氏への取材記事が、コラムとして掲載されていました。

わたしは、有賀氏による下記リンク記事を読んでいたので、これは購入して読もうと思った次第です。

 

>>NAVERまとめに無断転載を抗議したら、衝撃的な回答が来た

 

ネット検索を疑え!!の本文中には、WELQに関する記事(こちらがイケてないSE◯ですね)も書かれていたのですが、問題を切りわけて、

  1. まとめサイトに投稿された記事がパクリである問題について
  2. まとめサイト運営に損害賠償の裁判をうつとは、どういう状況か?
  3. さらに、まとめサイト運営のあるべき姿とは

について書いていこうと思います。

 

結論は、

  • 現状が、「法律上OK」という言い方をされるともやっとする
  • その結論が、プロバイダ責任制限法を満たしているからという理由だともやもやが倍増する
  • まとめサイト運営は、パクリの申し立てにはきちんと対応して!(明確なパクリはわかるでしょ!という考えです。名誉権侵害はもっと判断がむずかしいとは思います)
  • プロバイダ責任制限法より厳しい法律(まとめサイト運営、プラットフォーム運営側に「義務」をおわせる法的判断)ができたらみんなが困るでしょ

 

時間がない方は、下記リンクをどうぞ

 


ネット検索を疑え!!の記事本文中で取材をうけておられたウェブ系コンサルタントの永江一石氏のブログ記事です。少額訴訟をおすすめされています。

>>LINEがNaverまとめの著作権侵害やめないならBLOGOSへの転載とメルマガを止めようと思う

著作権関連の記事を多くアップされているSTORIA法律事務所さんのブログ記事です。

>>NAVERまとめ問題でLINE社への法的責任追及が可能か検討する

 

 

まとめサイト運営に損害賠償の裁判をうつとは、どういう状況か?すごくまわりみちをしながら説明します

 

f:id:mm-nankanoffice:20170108162026j:plain

 

 

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 -解説- 総務省特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限 及び発信者情報の開示に関する法律 -解説- 総務省 

 

 

 さらに、本項は、刑事上の責任について規定しているものではない。特定電気通信役務提供者が、違法情報の送信を防止する措置を講じなかったことについては、関係役務提供者が当該情報の発信者である場合や、違法情報であること及びその結果により被害が生じることを知りつつその流通を促進していた場合等、当該情報の流通に積極的に関与していた場合等には刑事上の責任を問われる可能性があるが、単に、関係役務提供者が違法情報が流通していることを知っただけでは、直ちに刑事上の責任を問われることは考えにくい。

出典:上記リンク P11

 

ここでは、まず、プロバイダ責任制限法が刑事上の責任について規定しているのではないことを確認できます。

刑事上の責任を問われうる場面についても記載がありますが、あくまでも刑法の枠内のはなしです。

プロバイダ責任制限法には、なにをしたら国から刑罰をくらうということは書いてありません。

 

問題をきりわけていきます。

 

今何を書こうとしているのかといいますと、NAVERまとめ問題でLINE社への法的責任追及をするということはどういうことなんだ?ということを書こうとしています。

 

ここでプロバイダ責任制限法の中身と、その前提として民事の一般法である民法の考え方のご説明をしたいと思います。

 

f:id:mm-nankanoffice:20170108200702j:plain

 

ざっくりというと、民事法の一般法である民法は、プレイヤーは対等である!ので、当事者のどちらかに重い「義務」をおわせなくてもよいという発想があります。

言い換えると「なにかを現実にしなきゃいけないと法律に書いてあるか?最低限のことしか書いてない」ということです。

 

これが特別法で修正されたりするのですが、民法の特別法であるプロバイダ責任制限法は、事業者にたいしてあらたに「義務」を課したのか?という点はまず検討するべきところです。

 

結論としては、「義務」が課されてはいません。

プロバイダ責任制限法には、事業者はこのような場合には、民事上の損害賠償をくらいませんということが書いてあります。

2つの違いがわかりにくいかなと思うのですが、どうですか?

そしてさらに民事上の損害賠償は、加害者が任意で支払わない場合、被害者は「裁判」をおこすしかありません。

この状況をもって法律上問題ないといわれるのはものすごくもやもやします。

 

上記リンク総務省のページの19ページには、被害者が事業者に対して情報を削除しないことによる損害賠償を請求する場合についてのわかりやすい記載があります。

 

この損害賠償をくらわないようにする体制つくりが今はもとめられているのであって、被害者が「裁判」をおこさないことをもって法律上問題ないと言い張るのは違うんじゃないかな~と思います。

 

www.buzzfeed.com 

 

プロバイダ責任制限法を改正しよう!という話はたぶん前には進まないと思います。

プロバイダ責任制限法より厳しい法律(まとめサイト運営、プラットフォーム運営側に「義務」をおわせる法的判断)は、問題を切り分けない限り難しいと思います。

それもみこして、今のままで大丈夫と思ってそうでそれももやもやポイントです。

 

 

今のところの考えをまとめてみました。

www.mm-nankanoffice2.com