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上野千鶴子先生の「情報生産者になる」を読んでいます

上野千鶴子先生の「情報生産者になる」を読んでいます。恥ずかしながら上野先生の本、最初の1冊です。

最近いろいろ思うところありまして、おもにブログ記事のことなのですが

  • 読者のかたに了解いただけるように、論理をぶっとばさないで書く
  • 先行する研究をもうちょっとちゃんと調べる

こういうことが大切なのかなと思うようになりました。

1つ目は、自分の悪いくせで、書いていて面倒くさくなるんですよね。ここまではわかるだろう!と。ちゃんとペルソナ(想定する読者)が練られていれば問題ないともいえるかとは思うのですが(あえてそう書いた場合)、たまに自分でも論理をぶっとばしているなと思うことはあります。

2つ目は、自分が考えることはもうすでに多くの方が考えていて、これをあえて書くということは違う切り口なのですよ~自分は今この立場から語っていますよ~ということが大事なのかな?ということです。ただこれは今ほとんどできていません。

自分でも悪いところはわかってはいたのです。しかし、これをどうやって修正しようかな?と悩んでおりました。

そのような問題意識をもっていたところになんとなくアンテナにひっかかった本をご紹介します。広くいうと論文の書き方の本という枠組みになるのかな?と思います。

自分で調べる技術―市民のための調査入門

こちらはどちらかというと調査に重点をおいた書籍になります。

情報生産者になる

こちらは研究に焦点をあてている書籍です。研究とは、アウトプットまでを含めた概念なのですね。

研究とは、まだ誰も解いたことのない問いを立て、証拠を集め、論理を組み立てて、答えを示し、相手を説得するプロセスを指します。

自分で調べる技術―市民のための調査入門(以下「宮内本」という)と、情報生産者になる(以下「上野本」という)の紹介


宮内本では、雑誌・論文記事の探し方としてこちらをご紹介してあります。

国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online

日外アソシエーツの雑誌・論文情報 magazineplus 案内

公益財団法人大宅壮一文庫

Home: Ingenta Connect

たしかに、司法書士業界の本でも、単行本よりも雑誌、ミニコミ、専門誌の中の1記事のほうが情報鮮度が高いですもんね。知らない世界を覗くのに、そのみちの専門家が今なにを話題にしているのか?はたしかに重要だな~と思いました。

そのほか、第2章では、本、新聞記事、統計データ、各種資料、インターネットでの調べ物という順序で、資料・文献調査の方法が記載されています。

第3章では、フィールドワークについて述べられており、第4章は、まとめ方とプレゼンテーションというタイトルとなっています。

 

上野本では、図表2-1「研究のプロセス」に以下の記述があります。

研究とは何か?

  1. 問いを立てる
  2. 先行研究を検討する(対象/方法、理論/実証)
  3. 対象を設定する
  4. 方法を採用する
  5. 理論仮説を立てる
  6. 作業仮説を立てる
  7. データを収集する(1次情報/2次情報)
  8. データを分析する
  9. 仮説を検証する(検証/反証)
  10. モデルを構築する
  11. 発見と意義を主張する
  12. 限界と課題を自覚する

 

上野本の構成もこの順番になっています。 

 

2つの本の両方に、KJ法というものがでてきます。さらに上野本では、このKJ法を発展させた「うえの式質的分析法」というものがでてきます。この「うえの式質的分析法」は、本に詳しいのですが、ネットでも無料で公開されています。

生存学研究センター報告書 [27] – 立命館大学生存学研究センター

こちらをご覧になっておお~と思われた方は、上野本「情報生産者になる」からご購入なさるとよいと思います。

 

論理をぶっとばさないで書く達人の文章ってこんなに読みやすいんだ~という。内容は、わたしには素養がないことなので難しいのは難しいのですが(わたしまだ理論仮説と作業仮説の項あまりよくわかってません……)論理的であるからとても読みやすかったです。それにときどきグッとくることが書いてあるんですよね。

あと脱線するところもむちゃくちゃおもしろいです。マルクス主義フェミニストへの言及は、ほんとうにおもしろいです(わたしが無知だからなのですが……)。

 

上野先生の本、恥ずかしながらまだ読んだことがありませんでした。わたしは勉強不足なのです。けど、上野先生の授業受けられた方羨ましいなあと思いました。

「育休世代」のジレンマを読み直す

今、読み直しております。 というか社会学をバックボーンとして書かれている書籍の読み方が変わるのかな?と思っています。

この「育休世代」のジレンマでは、産休・育休の育児支援制度が整った2000年代に総合職として入社し、その後出産をした15人の女性に対するインタビューを実施・分析なさっています。

読み方が変わる部分は、上野本を読んでいらっしゃらない方は、15人って少ないんじゃない?と思われるんじゃないかと。わたしもそうでした。

そのほかにインタビュー調査の方法について、「クライテリア」とか「質的調査」とか「半構造化面接」とか「当事者研究」とかの用語がでてくるのですが、これは上野本を読まないとわからなかったです。これは単純にわかった!という。

もうひとつは、そのデータからその結論言えるのか?ということは、もっと厳密に問うてよいんだなと。読者側も同じデータをもとになにを読み取れるのか、もっと考えていいんだなというのが上野本を読んでの感想です。

読みながら、ああ~これが「うえの式質的分析法」のマトリックスの実践なのか~と思いながら読んでいたのですが、それはまた違うのかな?

 

今まで持っていた本の読み方が変わるという点では、コスパのよい本なのではないでしょうか。上野千鶴子先生の本を読んだことがない方にも、まず1冊目に「情報生産者になる」おすすめします。