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司法書士試験では、記憶と理解どちらが大事ですか?(独学の方向性は?)


記憶と理解どちらが大事か?は、よく議論されるテーマなのですが、これをもう少し場面を限定して、司法書士試験の本番において記憶と理解どちらが大事かという問題として考えると、わたしは理解が大事!と考えます。

もっと正確に言うと、理解が大事というよりも、記憶があてにならないという感じです(あくまでわたし個人の体験ですけども)。

司法書士試験の本番という極限の緊張状態なかで問題をといて、試験の後、「なぜあの問題を間違ってしまったのか?よく読めばわかったのに!」という経験がおありになる方もいらっしゃるかと思います。


これをどのようにしたら防ぐ(その数を少なくする)ことができるのでしょうか。

 

司法書士試験の本番という極限の緊張状態においては、論点の記憶をひっぱりだそうとすると、足元を掬われます。

しかし、これを論点の記憶ではなく、手順の記憶(理解)にのっとることにより問われたことに答えることが可能になります。 

 


では、どのようにしたら手順の記憶(理解)を確立させることができるのか?

そもそも法律の学習における、手順の記憶(理解)とはなんなのか?

上記について、司法書士試験の準備に予備校を利用している方、独学の方、どちらの方にもオススメできる本を紹介しようと思います。

ただ、本試験までの時間とのかねあいもあります。読むべきかどうかは、ご自身の進捗状況と照らし合わせてお考え下さい。

 

 

私がこの本に出会ったときは、予備校の1年コース講座をとっくの昔に終了し、過去問と予備校の模擬試験を数年分受講している状態です。

1次択一は、6~7割の出来(民法が安定しない、分かっていないから)。

2次択一も7割程度。

逆にいうと、択一問題をひたすら解く、というスタイルでもここまではいけます。

ここからが大変だとお考えの方には、特におすすめできる書籍です。

 

 

司法書士試験の準備において、予備校利用、独学、どちらの方にも有用だと思います。

 

司法書士試験の勉強に行き詰っていた頃、司法試験の勉強をしていた友人に紹介していただいた本です。

 

 

司法書士試験の準備において、予備校を利用している方、独学の方、どちらの方にもオススメできる理由としては、この本を読むことで、なにをどのように勉強するべきか?が分かるからです。

 

それが、この本の中で解説されている「趣旨からの条文解釈」です。

これが、わたしが手順の記憶(理解)と、表現しているものです。

 

わたしは、目からウロコでした。

あとはがむしゃらに自分が記憶していた論点の記憶の再構成をやるだけでした。

 

私が考える択一問題の分類

 

私は、択一問題には、

  1. 事例問題と
  2. 条文問題(条文の文言が答えになる問題)

 の2つのみがあると認識しております(いわゆる学説問題というものは存在しない!という説の提示)。

 

  1. の事例問題は、事例が書いてあります。私は、事例問題とは、実際に、クライアントから相談を受けたら、その答えのように答える問題と定義します。これを一応(司法書士試験の択一問題の分類というレヴェルでは)正しいとさせてください。
  2. 条文問題は、条文の文言が答えになる問題です。これは、知ってないとどうしようもないところもありますので、どちらかというと苦手でした。

 

事例問題の解き方

 

事例問題を解く際に、

できるだけ論点の記憶をひっぱり出そうとせずに

「趣旨からの条文解釈」の流れにのせて

一般的な、常識的な結論を導き出す

ことを意識する。


趣旨からの条文解釈は、事例問題を解くときの手順なのです。

 

 

そうすると、いわゆる学説問題というものは、1.に分類されることになります。なぜならば、多数説に対する少数説(学説)もまた、事例の解決を目的としているからです。趣旨からの条文解釈の流れにのせて考えることができるからです。


ぜひ、この本をお読み下さい。

 

この問題文のこの部分は、事例が書いてあるのかどうか?この点に注意して、できるだけ論点の記憶に頼らない解き方を模擬試験などでお試しください。



趣旨からの条文解釈(手順の記憶)にもとづいて回答した場合に、その回答がもし誤りであれば、そのときこそ、自分の論点の理解が間違っていることがわかります

そしてそれは準備段階では、修正は可能です。 

 

私の定義による条文問題についても、私は、「この法律では、こういう規定があるはずだよな」という解き方をしたことがあります。

ただこれは、私は、模試(受験予備校が主宰する答案練習会)において1回試しただけでした。

本試験においては、制限時間内に自分の実力を全て出し切るという大目的があるため、条文問題においては、記憶で、瞬間的に解く、ということも要求されているとも思います。

 

この本で私が感じたその他の効用・メリットは

 

  1. 問題文をよく読むようになりました。(事例問題では、「これは何の論点の問題だろう?」という視点ではなく「この問題をどのように解決すべきだろう?」という視点になりました)
  2. 解説の読み方も変わりました
  3. 覚えるべきことが減った!!という感触を得ました

 

この本は、本当にオススメします。是非ご覧になってください。

 

もう一つオススメする本

 

 

本体定価3,800円です。ただし今、絶版となっておりまして、数少ない古本が流通しているという状態です。

田舎の本屋さんにぽつんとありましたら、定価で購入してください。それはラッキーです。大学の図書館にありましたら、ぜひご一読ください。その後、この本は、何度も読み返すことになる本ですので、購入をご検討ください


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(注)このAmazonの価格変動表をみる方法は、こちらのブログを参考になさってください。

「Amazon最安値で買う方法」の超簡単な活用法 - 50kgダイエットした港区芝浦IT社長ブログ


わたしがこの記事を最初に書いたときは、9,000円となっていました。さすがにその金額はないな~と思ったのですが、平成29年7月11日現在は、6,160円となっています。


この金額なら、買ってもよい、と思います。内容は、間違いない本です。


司法試験の予備校の先生が、「本書のおかげで,講義の質が確実に上がりました。」とブログにその感想を書かれています。
貞友民法読みました|司法試験ブログ・予備試験ブログ|工藤北斗の業務日誌


6,160円ならというのが、内容についてもそうなのですが、出版元の辰已法律研究所がオンデマンド版(刊行当時を再現する形でスキャニング、データ作成されたもの)を販売されているという理由もあります。

 

万能書店/商品詳細 旧司法試験 論文本試験過去問 貞友民法

「辰已の絶版本、品切れ本を使って、勉強したい!!」  受験生のこんな声に応えるため、インターネット上のサイト「万能書店」と提携し、オンデマンド出版による「たつみのオンデマンドBOOK」を創設。同サイト内「辰已法律研究所の専用ページ」からご購入ができます。


その金額、本体価格(税込) 5,724 円。もう少し安くならないかな~とは思います。

ただこちらの本も、オススメします。

  • p335の債務が消滅する場面に関する記載
  • p379あたりの危険負担に関する説明
  • p91の帰責性に関する記載・・・


などなど、択一式の問題だけを解いていたらわからない、問題をどのように考えていけばよいのか、その過程についての記載が多くあり、とてもためになります。

もっと端的に言いますと、今、危険負担、債務不履行、瑕疵担保責任、不当利得、不法行為などを自分のコトバで説明できないならば、この本を買う価値はある、と思います。

ここでいう自分のコトバで説明する、とは

  1. 適切な事例をつくることができる(具体化)
  2. そしてまたそれをコトバにすることができる(抽象化)

ということです。



オススメする2冊の本は、スタンスとして同じことをおっしゃっていると感じています。

今回、わたしの考えっぽく書いている部分は、2つの本からの影響が大きいことが読んでいただければすぐお分かりになります。


読む時期と、使い方を選ぶ本だとは思いますが、間違いなくオススメできる本です。

与えられた法律の問題をどのように解けばよいのか?についての知見が得られます。

読む時期の問題はありますが、ぜひともご一読いただき、合格を勝ち取られてください。

 

受験準備は、時間との戦いという面もあるかと思います。
受験予備校の利用も、費用対効果を考えると、一考の余地はあるかと思います。

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