平成27年10月17日@市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)にて行われた竹信三恵子氏の講演「生きづらさの根にあるもの」に行きました。 読んでいた本の著者の講演を聞く、生の声を聞く、という体験は初めてです。質疑応答も結構盛り上がりました。先生の質問者に対するお答えがすごく丁寧で、かつ示唆に富む内容で、ファンになりました。面白かったです。
本を読んでるときは、女性の労働問題の本、として読んでましたが、また違う読み方ができそうです。
その他、全3冊ご紹介します。
平成27年9月23日の記事(講演に参加前)
この本にたどり着いたのは、『togetter』からだったと思います。『togetter』は、あるテーマについてtwitterでつぶやかれた発言をまとめる、twitterのまとめサイト、ということで良いんだと思います。
なんでか分かりませんが、ここのページにたどりつき、なんだか面白そうということで、購入した次第です。
最近見つけた、著者による連載記事です。
第1回
育休世代のカリスマが、会社を"降りた"ワケ | 育休世代 VS. 日本のカイシャ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
第2回
働く母の「3大・生存戦略」を検証する | 育休世代 VS. 日本のカイシャ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ちょっと(だいぶ)飛んで第 9回
激務の夫を選ぶ、キャリア女性の「自縄自縛」 | 育休世代 VS. 日本のカイシャ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ケアを担う人の地位向上、竹信三恵子さんの『家事労働ハラスメント』で議論されているような無償労働の問題解決がなくては、真の「女性活躍推進」の歯車がまわっていくことはないでしょう。
出典:激務の夫を選ぶ、キャリア女性の「自縄自縛」 | 育休世代 VS. 日本のカイシャ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ケアを担う人が、夫婦でいうと、女性に偏りすぎている!これは、間違いなくそうですし、上記の指摘に関しては、完全に同意します。無償労働という言葉は、1995年に北京で開かれた国連の第4回世界女性会議の行動綱領に出てくる言葉らしいです。
『家事ハラ』
以下の2つは、『家事ハラ』からの引用です。
ワーク・ライフ・バランス政策の根幹は、家事労働の再分配にある。ワーク(賃労働)とライフ(無償労働)の二つの領域のバランスをとるということは、働きながら家事もできるなんらかの労働時間政策が必要ということを意味するからだ。日本のようにワーク・ライフ・バランスが保てないような長時間労働が慣行として横行している社会では、これをいったん矯正してあるべき姿に戻すための労働時間規制が不可欠だ。
行政や経済界の動きを指摘されたうえで、
そうした社会で謳われるワーク・ライフ・バランスは、働き手が自分の工夫で効率よく働き、自主的に労働時間を短くする(仕事が終わらなければ自己責任)、ただの生産性向上運動に転化しつつある。
『家事ハラ』は、熊本の司法書士からも、教えてもらってました。 こういうときって繋がるものですね。ただ、内容の説明を受けたとき、無償労働ってミスリーディングだろって、誰が誰に金払うのって、ちょっとよく分からなかったのですが、読んでみて納得しました。すみません!
ワーク・ライフ・バランス政策の根幹は、家事労働の再分配にあり、現在の日本においては労働時間規制が不可欠であり、ただの生産性向上運動に転化させちゃいけないものなんだ!という主張は,なるほどです。
もう1冊ご紹介します。
「女子力」というのは、基本的に「他人に押し付けられる女性性」です。
育児休業については
安倍晋三政権は、成長戦略の目玉の一つに「女性の活用」を掲げており、具体的な施策の一つとして、育児休業を3年間まで取得できるようにすることを提示していますが、この施策では女性の潜在能力は活用されないでしょう。
そしてその理由(これじゃダメな理由)が述べられます。
育児休業給付については、
育児休業に入る前の2年間、11日以上働いた月が12ヵ月以上あることが支給条件ですが、日本で就労する女性の約半分は非正規労働者で、雇用が短期なので条件に該当しない可能性が高いわけです。
もうバッサバッサと政府の案をぶったぎったあとに、ほんじゃあどうすればよいのかの対案も、きちんと提言なさっております。
この本のさいごに、
「女子力」を葬り去って自由になれ、必要なのは「ガールパワー」
という提案があります。
「女子力」というのは、基本的に「他人に押し付けられる女性性」です。
これはもうホントにそうなんだろうなあ、と思います。「性」の字、1個多くはないですよー(誰に向かって書いているんだ、という。若い方も読むかな?と)。「女性らしく」というのは、呪いなんだ、と。聞く必要なし!と。ここでもすごく清々しいです。「育休世代のジレンマ」では、「他人に押し付けられる女性性」とどのような距離をとってこられましたか?(意訳)というアンケートを質的に分析なさっているのに対し、「日本の女性がグローバル社会で戦う方法」では、正反対の概念である「ガールパワー」を提案なさっています。行き道は違いますけど、どちらもすごく興味深いです。
わたしも娘が生まれたら、ということを考えちゃいました。これらの本を読め!という。「他人に押し付けられる男性性」ってなんだろか?とも考えてます。男たるもの家族を養わないといけない!ですかね。働かざる者食うべからず?ベーシック・インカムを社会に実装したら、このあたりの呪いも憑物落しされるのでしょうか。新しい呪いが生まれる?うまくまとまりませんが、今日はここまで。これらの本、面白かったですよ。おすすめです。