結論としては、相続登記において、ご相談者側でここまではやっておくべきたった1つのこととは、相続人全員で話し合いをしておく、というものです。
これは、相続人全員で話し合いをしていただいておけば、とりあえずその相続人全員での話し合いをまとめた書類をご相談者さまにつくっていただいておく必要は、ありません。
しかし、本当にそれだけでよいのか?
なにか書類を準備しておかなくてよいのか?
このあたりの準備について、司法書士の段取りを紹介するゲーム作品を作りました。よろしければごらんください。
事務所テーブルの右側にいらっしゃるのが、今回のご相談者、田中Q太郎氏です。
この事案は、お父様の不動産の相続登記をしたいというご相談で、以前に銀行預貯金の相続手続きはすでになされており(そのときの代表相続人は、母)、その後お母様もなくなり、相続人としては自分のほかに弟がいる
というものです。
なお、GAME上の相続関係説明図は、以前の銀行預貯金の相続手続きの際につくられたものであり、今回ご相談者田中Q太郎氏に事務所まで持ってきていただいたという設定です(以前の銀行預貯金の相続手続きは無事に完了しており、ですので、戸籍もひととおりはそろっている、という設定です)。
ゲームへのリンクはこちら。RPGには役割を演じるゲームという意味があります。司法書士という役割をとおして、相続登記にふれてもらおうという趣旨で作成されたゲームです。
GAMEにおいては一瞬の演出なのですが、司法書士が「今回は、弟さんとお話はなされているのですか?」と聞いていることをご確認ください。
「今回は、弟さんとお話はなされているのですか?」は、なにを聞いているのか?
これは、相続登記のご依頼をうけることができるか?(相続人全員での話し合いがあるか?)を確認しています。
亡きお父様名義の不動産について、相続人全員で(弟さんと)代表相続人を自分にしてもよいという話をしている、ならば
↓
遺産分割協議がなされている、といえて
↓
相続登記の依頼ができる(司法書士からみると、受任ができる)
ということになります。
もし、まだ話ができてませんということであれば、「じゃあお話をなされてきてください。たとえば、この土地はおれがほしい、こっちはもらってよいよということにもなるかもしれません」
というように、一般論として、遺産分割協議では残された不動産についてどのような決め方までをできるのか?をお伝えすることになります。
そして、こちらの場合では、まだ相続登記は受任していないため、この時点では司法書士としての動きは制限されるということになります。
このように司法書士は、ご相談者さまがどのような権利をいまもっておられるかを聞き取りをしながら仕事をすすめています。
つぎの記事では、ここでご依頼者にわたしている「おとうとさんに署名押印いただくしょるい」について、書こうと思います。これには、おとうとさんの実印(印鑑証明書の印鑑)を押していただいて、印鑑証明書をいっしょに提出いただくことになりますのですが・・・。